1カ月の試験運行期間を経て3月2日にいよいよ桃園MRT(桃園メトロ)の正式運行か開始されました。幾度もの延期を繰り返して2006年の着工から約10年もの期間を要してようやくスタートに漕ぎつけましたね。個人的にもまだかまだかと待ちかねていました。これまでは台北-桃園空港間の移動はバス(タクシーや新幹線もありますが個人的にはちょっと選択肢にはいりませんね)のみでしたが、やはり交通事情から所要時間が読めないというのがネックで桃園MRTの完成を心待ちにしていました。早速乗車してみたので利用方法や設備について報告したいと思います。
目次
桃園MRTで台北駅から桃園空港へ
桃園MRTの台北駅の位置は台鉄(台湾鉄路)の台北駅のやや西側の位置にあります。台北MRTの北門駅と台北駅のちょうど真ん中ほどの位置でしょうか。いずれの駅からも数分歩いて行く必要があります。
※画像は桃園捷運公司FBより引用
上の写真では台北MRTの淡水信義線、板南線の台北駅、松山新店線の北門駅からのルートが示されています。この他台北地下街のY区からもアクセスすることができますし、もちろん地上からも駅へ入ることができます。
下の写真は台北地下街のY区からの入口。台北地下街Y区は市民大道の地下にあり、東の中山北路辺りからY1、Y2・・・と西の塔城街辺りのY28まで出口が割り振られていて、桃園MRTへの入口はY12出口付近に1つあります。駅構内にあるマップを見ると他にも入口があるようです。
桃園MRTの台北駅は地下3階から構成されていて、最下層の地下3階がプラットフォームレベル、地下2階がコンコースレベル、地下1階がチェックインレベル、そして半地下1階がブリッジレベルとなっています。
B1Mと呼ばれる半地下1階は台鉄や淡水信義線、板南線の台北駅から地下を通ってアクセスしたときに到着する場所ですね。ここからB1地下1階のチェックインレベルに降りていく流れです。
ここがB1M、半地下1階。台鉄の台北駅方面から地下を通ってアクセスするとここへ出ます。ここから一旦B1、地下1階へ。
B1、地下1階からそのままB2、地下2階へ降りずに階段を迂回して先へ進むとチェックインエリアに出ます。今のところ台北駅でのチェックインが可能な航空会社はチャイナエアライン(中華航空)、エバー航空(長栄航空)、マンダリン航空(華信航空)、ユニー航空(立栄航空)の4社です。
B2、地下2階コンコースレベルの改札(B1、地下1階のチェックインエリアの近くにも改札があります)。もちろん悠遊卡(悠遊カード)で通ることができます。
この改札を通って右側の1、2番ホームが直達車(一部駅のみ停車:A14機場第三航廈站(現時点ではA13機場第二航廈站まで))用、左側の3、4番ホームが普通車(各駅停車、A23:中壢車站(現時点ではA21環北站まで)まで)用です。空港へ行くなら1、2番ホームの直達車に乗りましょう。
ここを降りて行くと直達車のホーム。
後は乗るだけ。A1:台北車站を出発した後の直達車の停車駅は以下。
A3:新北產業園區站
A8:長庚醫院站
A12:機場第一航廈站(第1ターミナル)
A13:機場第二航廈站(第2ターミナル)
A14:機場第三航廈站(第3ターミナル)(現時点では未オープン)
実際乗ってみてA1:台北車站からの所要時間は、A12:機場第一航廈站(第1ターミナル)までが約35分、A13:機場第二航廈站(第2ターミナル)までが38分と、ほぼ発表されている通りでした。ただ途中、随分スピードが遅いな・・・と感じるところがあったのですが、カーブなどの影響でしょうか。念の為、余裕をもって乗車するのが良いと思います。
桃園MRTで桃園空港から台北駅へ
第1ターミナル(A12:機場第一航廈站)
第1ターミナルの到着ロビー。掲示板にも「桃園機場捷運」と表示がありますね。
掲示板の指示通りに到着ロビーを出て左へ。前方の右手に見えるエスカレーターを降りるとこれまで随分お世話になっているリムジンバスの乗り場ですね。桃園メトロの駅へは左へ進んで行きます。
左へ曲がったらそのまま出国ロビーの方へ進んで行きます。つまり到着ロビーからぐるっと回って反対側の出国ロビー側へ行くのです。
フードコートへ続くエスカレーターを降りて行きます。
フードコートのフロアに出たらエスカレーターで更に下のフロアへ。
下のフロアに出たら左へ。
駅の入口はもうすぐそこです。
ここが第1ターミナル(A12:機場第一航廈站)の入口。
1番ホームはA13:機場第二航廈站(第2ターミナル)方面、2番ホームがA1:台北車站方面。台北へ行くには2番ホームへ。
自動券売機は2種類。パープルの方は「單程票販售機」と呼ばれるチケットの券売機。ブルーの方は「售卡加值機」と呼ばれる悠遊カードの購入及びチャージができる機械です(一卡通(イーカートン:iPASS)の購入も可能)。


改札です。

悠遊カードで改札を通ります。

飛行機のフライトスケジュールが表示されてます。

ホームへは更に下のフロアへ降りて行きます。

第1ターミナル(A12:機場第一航廈站)のホーム。A1:台北車站へは約35分ほどで到着します。


第2ターミナル(A13:機場第二航廈站)
第2ターミナルの到着ロビー。
掲示板に「桃園機場捷運」と右を差す表示があるのですが左からでもOKです。ようは地下2階のフードコードのフロアに降りていくのです。
エスカレーターでフードコートのフロアへ。
フードコードのフロア。駅の入口もこのフロアにあります。
第2ターミナル(A13:機場第三航廈站)の入口です。
駅に入ると目の前に改札。
悠遊カードでピッと。
ホームへは地下3階へ降りて行きます。右側の1番ホームがA23:中壢車站(現時点ではA21:環北站まで)方面、左側の2番ホームがA1:台北車站方面。台北へ行くには2番ホームへ。
台北方面行きの2番ホーム。
第1ターミナルを経由して台北へ向かいます。
三重駅(A2:三重站)で台北MRTに乗り換え可能
空港線は終点のA1:台北車站の手前のA2:三重站で台北メトロの中和新蘆線に乗り換えることが可能です。
宿泊先が中和新蘆線沿い、例えば松江南京、忠孝新生、東門などの近くであればここで乗り換えても良いかもしれませんね。台北駅で乗り換えても良いのですが淡水信義線、板南線の台北駅まで結構歩くのでこちらの方が便利かもしれません。
但し、A2:三重站は直達車が停車しないので手前のA3:新北產業園區站で普通車に乗り換える必要があります。
※画像は桃園捷運公司HPより引用
A3:新北產業園區站で一旦下車します。
そして普通車に乗り換え。
普通車の中はこんな感じ。
次の駅のA2:三重站で下車します。
路線図にも中和新蘆線への乗り換えの案内が出てますね。
階段を降りて出口の方へ。
一旦改札を出ます。
「台北捷運」と表示のある方へ。
地上へ降りて行きます。
地上の1番出口。中和新蘆線は更に階段を降りて地下へ。
中和新蘆線と表示のある方へ。
ここを右へ曲がると・・・
台北MRT中和新蘆線の改札です。
桃園MRTの列車、駅の設備について
直達車
直達車は台北ー空港間の停車駅を限定した、いわゆる快速列車ですね。空港利用者のほとんどが利用するのがこの直達車であろうかと思います。
【停車駅】
直達車の停車駅は以下
A1:台北車站
A3:新北產業園區站
A8:長庚醫院站
A12:機場第一航廈站(第1ターミナル)
A13:機場第二航廈站(第2ターミナル)
A14:機場第三航廈站(現時点で未オープン)
【所要時間】
台北から空港までの所要時間は
・A12:機場第一航廈站(第1ターミナル)までが約35分
・A13:機場第二航廈站(第2ターミナル)までが約37分
実際に乗車したときはほぼ上記の時間通りでした。ただ、もっと時間がかかったという声も聞くので念の為時間に余裕を持って乗車することをおすすめします。
【料金】
A1:台北車站から空港までの料金は第1ターミナル、第2ターミナルともに160元です。
※4月1日までは半額となっています。
【時刻表】
時刻表は下記を参照
参考:桃園メトロ空港線の時刻表(桃園捷運公司)
【車内の様子】
直達車の車内の様子です。2人掛けシートが縦並びになっています。
向かい合わせになっているシートもいくつかありました。
お馴染みの博愛座 priority seatや車いす専用スペースも。
空港線ということでスーツケースが置ける荷物置き場もあります。
各座席の下も荷物を置くことが可能。
席には簡易テーブル付き。ペットボトルを置くスペース(たぶん)があるので食事ができるのかと思ったら・・・
飲食禁止と・・・どういうこと(笑)
やっぱり飲食禁止。注意しましょう。
フライトスケジュールの掲示板があります。空港線らしい仕様ですね。
直達車の停車駅と現在位置が表示されています。
普通車
普通車は全ての駅に停車する各駅停車。また直達車は空港までの運行ですが、普通車は空港より先のA23:中壢車站(現時点ではA21:環北站まで)まで運行します。
空港を利用する旅行者はあまり乗車する機会はなく現地の住民の利用がほとんどだと思います。
【停車駅】
普通車の停車駅はA1:台北車站からA23:中壢車站(現時点ではA21:環北站まで)までの全ての駅。
【所要時間】
台北から空港までの所要時間は
・A12:機場第一航廈站(第1ターミナル)までが約45分
・A13:機場第二航廈站(第2ターミナル)までが約47分
【料金】
普通車も直達車も同様の金額。A1:台北車站から空港までの料金は第1ターミナル、第2ターミナルともに160元です。
※4月1日までは半額となっています。
【時刻表】
時刻表は下記を参照
参考:桃園メトロ空港線の時刻表(桃園捷運公司)
※普通車の時刻表は掲載されていませんが15分間隔で運行されているようです。
【車内の様子】
普通車の車内の様子です。向かい合わせにシートが並んでいます。
普通車にもスーツケースが置ける荷物置き場を設置。
こちらもやっぱり飲食禁止ですね。
Free Wi-Fi
桃園MRTはFree Wi-Fiが完備されています。このへんはさすがというか、素晴らしいですね。台湾のSIMをもっていない人でも空港から台北駅まではFree Wi-Fiの利用できる環境にありネットに接続することが可能ですね。
【Free Wi-Fiの利用方法(iPhoneの場合)】
設定ーWi-FiからTyMetroを選択。
TyMetroを選択されました。
ログイン画面が表示されるのでAgreeのボタンをタップ。
広告が表示されるのでしばらく待ちます。
Click Here to Free Internetというボタンが表示されるのでタップします。
少々待ちます。
これで完了。
ワイヤレス充電
桃園MRTの駅にはワイヤレス充電が可能な場所があり充電用のケーブルを持っていなくてもスマートフォンの充電が可能です。
全ての駅の設置されているのかは分かりませんがA1:台北車站では確認しました。またA18:高鐡桃園站にもあるようです。
また列車内にもワイヤレス充電が可能な席があるようです。
A1:台北車站のワイヤレス充電スペース。
白い方がiPhone用のコネクタ、黒い方がAndroid端末用のコネクタ。
コネクタを端末に接続して「無線接收器 放置區」と書かれた場所に置けばOKです。
まとめ
以上、桃園MRT空港線についてまとめてみました。これからは空港線の利用者が確実に増えると思われるので参考にしていただければと思います。
所要時間が短い、比較的安全(よくバスの事故を目にするのであくまで主観ですが)などバスに比べて優位な点があるかと思いますが、やはり渋滞の心配があるバスに比べて時間が読めることが最大のメリットではないでしょうか。今回空港線を利用しましたが、バス利用のときに比べて2時間ほど台北市内での滞在時間を長くすることができました(ちょっと心配症のところがあるせいかもですが)。
何にしてもこれで台北-桃園空港間の交通手段が増えて、状況によって使い分けることが出来るので便利なりますね。バスの混雑もおそらく緩和されるのではないでしょうか。
※正式運行開始の日にもらった記念品のお菓子です。